「庭にハクビシンが来るので箱わなで捕まえたい」「自分の家の屋根裏なら捕獲しても大丈夫?」「ホームセンターやインターネットでわなを買えば自分で捕まえられる?」
ハクビシン被害に悩んでいる方の中には、自分で捕獲してしまおうと考える方もいるでしょう。
しかし、ここには重要な法律上の注意点があります。
ハクビシンなどの野生鳥獣は、鳥獣保護管理法により、原則として許可なく捕獲することが禁止されています。
つまり、
「自分の家だから自由に捕まえていい」
というわけではありません。
一方で、住宅への侵入など実際に生活環境への被害が発生し、捕獲が必要と判断される場合には、法律や地域の制度に基づいて捕獲できるケースがあります。
この記事では、一般社団法人 害獣駆除士認定協会が、ハクビシンを捕獲するときに知っておきたい鳥獣保護管理法、捕獲許可、自治体の制度、箱わなの注意点、そして捕獲後の再発防止までわかりやすく解説します。
1ハクビシンは勝手に捕獲してもいい?
結論からいうと、
原則として、許可なくハクビシンを捕獲してはいけません。
正式には、
「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
いわゆる鳥獣保護管理法によって、野生鳥獣の捕獲等が規制されています。
環境省は、野生鳥獣または鳥類の卵について、狩猟による場合などを除き、原則として捕獲・殺傷・採取を禁止していると説明しています。
船橋市もハクビシンについて、
原則として許可なく捕獲することは禁止されている
と明記しています。
したがって、
「家の庭にいる」
「屋根裏に入られた」
「自分で箱わなを買った」
という理由だけで、自由に捕獲できるわけではありません。

2鳥獣保護管理法とは?
鳥獣保護管理法は、野生鳥獣の保護・管理や狩猟の適正化などについて定めた法律です。
船橋市は、この法律の目的に関係するものとして、
・鳥獣の保護
・鳥獣の管理
・狩猟の適正化
を説明しています。
ハクビシンは、この法律の対象となる野生哺乳類です。
ここで注意したいのが、
「害獣と呼ばれている=自由に捕まえていい」
ではないことです。
住宅や農作物に被害を与える動物であっても、捕獲には法律上のルールがあります。
ネズミとは扱いが違う
ここは検索ユーザーが混同しやすいポイントです。
船橋市の説明では、
ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミなどの家ネズミは鳥獣保護管理法の対象外
とされています。
そのため、
「ネズミを自分で捕まえられるのだから、ハクビシンも同じだろう」
と考えないよう注意が必要です。

3ハクビシンを捕獲できるのはどんな場合?
ハクビシンを絶対に捕獲できないわけではありません。
例えば、住宅の天井裏に住み着き、
・夜間の騒音
・糞尿による被害
・住宅への侵入
・生活環境への被害
などが続いている場合には、被害防止を目的として捕獲が検討されるケースがあります。
環境省も、生活環境・農林水産業・生態系への被害防止などを目的とした捕獲について、許可制度を設けています。
船橋市も、寄せ付けない対策などを行っても被害が続き、やむを得ず捕獲が必要となる場合について、捕獲に関する対応方法を案内しています。
重要なのは、
「ハクビシンを見たから捕まえる」
ではなく、
「実際の被害状況などを踏まえ、法令や自治体制度に従って対応する」
ということです。
4自分で捕獲したい場合はどうする?
自分で捕獲を検討する場合は、まずお住まいの地域を管轄する行政機関へ確認してください。
捕獲許可の申請先や必要な手続きは、地域や捕獲目的などによって異なる可能性があります。
例えば船橋市では、個人で捕獲許可を取得する場合について、
千葉県葛南地域振興事務所 地域環境保全課
への相談を案内しています。
つまり、
①被害状況を確認する
↓
②自治体・管轄機関へ相談する
↓
③必要な許可・制度を確認する
↓
④認められた方法・条件に従って捕獲する
という順番で考えることが重要です。
「箱わなを買う」=「捕獲許可を得た」ではない
市販の箱わなを購入できたとしても、それだけで野生鳥獣を自由に捕獲できるようになるわけではありません。
道具を所有することと、その動物を捕獲する法的な権限は別の問題です。

5船橋市にはハクビシン捕獲用ワナの制度がある
船橋市では現在、アライグマ・ハクビシンを対象として、捕獲用ワナの無料貸し出しを行っています。
2026年8月19日更新の船橋市公式ページによると、市が委託した業者が、
ワナの設置
撤去
捕獲した個体の回収
を行います。
ただし、条件があります。
現在案内されている制度では、
ワナの設置は敷地内の庭など地上のみ
であり、
屋根裏への侵入対応や追い払いは行わない
とされています。
また、申請にはハクビシン等の個体、糞、足跡、被害状況などの写真添付が必要です。設置期間は最大8週間とされています。
船橋市でハクビシン被害に遭った場合
「庭にハクビシンが来る」
というケースと、
「屋根裏にハクビシンが入った」
というケースでは、必要な対応が異なる可能性があります。
特に屋根裏への侵入では、
捕獲だけでなく侵入口の特定・追い出し・封鎖・糞尿処理・再侵入防止
まで考える必要があります。

6箱わなを設置するときに注意したいこと
適切な許可や制度のもとで箱わなを使用する場合でも、単純に置けばよいわけではありません。
特に問題になるのが、
目的ではない動物を捕獲してしまう「錯誤捕獲」
です。
住宅地には、
・猫
・タヌキ
・その他の野生動物
なども生息しています。
船橋市のワナ貸出制度でも、猫やタヌキなど対象外の動物が捕獲された場合には駆除せず、その場で放すとしています。
そのため、自己判断で、
「何か入ったからそのまま処分する」
といった対応をしてはいけません。
捕獲対象・設置場所・管理方法・捕獲後の対応まで、許可条件や自治体の指示を確認する必要があります。

7捕獲したハクビシンを勝手に放してもいい?
非常に注意が必要です。
捕獲した後の処置を自己判断しないでください。
許可捕獲では、捕獲方法だけでなく、捕獲後の対応や報告などについて条件が定められる場合があります。
千葉県の鳥獣保護管理事業計画でも、許可捕獲について、捕獲した鳥獣の種類・頭数・捕獲方法・位置情報・処置の概要等を報告させる方針が示されています。ハクビシンについては追加情報の報告も定められています。
したがって、
「捕まえたけれど、どうしたらいいか分からない」
という状態にならないよう、捕獲する前に、
「捕獲された場合は誰に連絡するのか」
「誰が回収するのか」
「どのように対応するのか」
まで確認しておくことが重要です。
船橋市のワナ貸出制度の場合は、市が委託した業者が捕獲個体の回収を行います。
8ハクビシン対策は「捕獲したら終わり」ではない
ここが今回の記事で、問い合わせにつなげるうえでも最重要ポイントです。
仮に1頭のハクビシンを捕獲できたとしても、
住宅の侵入口が残っていれば、根本的な再侵入対策にはなりません。
例えば、
・軒下の破損
・軒天の隙間
・換気口の破損
・戸袋周辺
・屋根と外壁の隙間
などが残っていれば、再び野生動物が住宅へ侵入する可能性があります。
だからこそ住宅のハクビシン対策では、
①何の動物か確認する
↓
②侵入口を特定する
↓
③追い出し・必要に応じた適法な捕獲
↓
④建物内に残っていないことを確認する
↓
⑤侵入口を封鎖する
↓
⑥糞尿などを清掃する
↓
⑦再侵入がないか確認する
というところまで考えることが重要です。
侵入口についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【ハクビシンはどこから家に入る?侵入口になりやすい場所を解説】
↓↓↓画像をクリック↓↓↓
忌避剤などによる対策はこちらです。
【ハクビシンが嫌がるものは?忌避剤など自分でできる対策を解説】
↓↓↓画像をクリック↓↓↓
9ハクビシンの捕獲についてよくある質問
Q.自分の家の庭ならハクビシンを勝手に捕まえていい?
原則としてできません。自分の敷地であっても、ハクビシンなどの野生鳥獣は鳥獣保護管理法による捕獲規制の対象です。捕獲を検討する場合は、自治体や管轄機関へ確認してください。
Q.ホームセンターで箱わなを買えば使えますか?
箱わなを購入できることと、ハクビシンを合法的に捕獲できることは別です。実際に捕獲する場合には、必要な許可や自治体制度を確認してください。
Q.屋根裏にいるハクビシンを自分で捕まえられますか?
自己判断での捕獲はおすすめできません。法的な問題だけでなく、高所・狭所での作業や動物との接触など安全面にも注意が必要です。
Q.船橋市ではハクビシンのワナを借りられますか?
現在、船橋市ではアライグマ・ハクビシン捕獲用ワナの無料貸し出し制度があります。ただし、庭など地上への設置が対象で、屋根裏への侵入対応や追い払いは対象外です。最新の受付状況や条件は市へ確認してください。
Q.ハクビシンを捕獲すれば被害は終わりますか?
必ずしもそうではありません。住宅に侵入できる隙間が残っていれば、再侵入対策が必要です。捕獲だけでなく、侵入口の特定と封鎖まで考えることが重要です。
10まとめ|ハクビシンの捕獲は自己判断せず、法律と地域の制度を確認する
ハクビシンは住宅被害を起こすことがありますが、
「害獣だから自由に捕獲していい」
わけではありません。
ハクビシンなどの野生鳥獣は鳥獣保護管理法の対象で、原則として許可なく捕獲することは禁止されています。
そのため、
庭にハクビシンが来る
屋根裏に住み着いている
箱わなを設置したい
という場合は、まず自治体や管轄機関に確認することが重要です。
船橋市では現在、ハクビシン・アライグマについて、一定の条件のもとで捕獲用ワナの貸し出し制度があります。ワナの設置・撤去・捕獲個体の回収は市の委託業者が行いますが、庭など地上への設置に限られ、屋根裏への侵入対応や追い払いは行いません。
そして住宅被害では、
捕獲=解決
とは限りません。
大切なのは、
動物を特定する
→ 法令に沿って対処する
→ 侵入口を特定する
→ 建物内に残っていないことを確認する
→ 侵入口を封鎖する
→ 糞尿などの被害箇所を処理する
→ 再侵入を確認する
という一連の対策です。
一般社団法人 害獣駆除士認定協会では、ハクビシンをはじめとした住宅への害獣侵入について、「捕まえること」だけではなく「なぜ侵入したのか」「どうすれば再侵入を防げるのか」まで考えた対策が重要だと考えています。

